セメント瓦!? 沖縄の伝統的な風景は赤瓦だけにあらず…!

沖縄らしい風景といえば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。青い海、白い砂浜、ハイビスカスに赤瓦のおうち…。
いや。ちょっと待ってください。赤瓦のようには映えませんが、灰色屋根のセメント瓦の家屋も実は沖縄っぽい風景のひとつなのです。

こういうやつですね。
なんでも最初にセメント瓦が導入されたのは名護市で、もともとは台湾から導入されたものだったということです。本格的に普及したのは戦後。
政府が「復興瓦」として工場の規模に応じた製造枚数で業者を支援したことで「セメント瓦は儲かる」という話になって沖縄全域に広がっていったそうです(宮古とかにも工場があったらしい)。
今回は、そんなセメント瓦の楽しみ方をご紹介します。
セメント瓦は鬼瓦部分がユニーク

瓦の鬼瓦に相当する部分をご覧下さい。ちょっとしたマークがついていますね。

この部分のマークが実はメーカーによって全然違うのです。

上の4つは漢字の一文字をあしらったもの。残念ながら記録も残っていないので調べられないのですが恐らくセメント瓦メーカーの頭一文字を取ったものなのでは?と思っています。
山があったり川があったり面白いですね。

カタカナもあります。なんかちょっと可愛い。

こちらは星マーク。

アルファベットバージョンも存在します。
また、メインの模様以外の意匠もなかなか面白いものがあります。

よく見るとスペードマークが入っています。

三菱マーク。車のボンネットについてそうなデザイン。

王冠っぽいデザインに鷲(?)のエンブレム。若干パチンコ屋みがあります。

こちらはもう、完全にトランプ模様ですね。
なぜこのようなデザインが採用されているのかの経緯はわかりませんが、それぞれに個性があって面白いです。純和風な日本本土の鬼瓦の意匠ではない、和洋ごっちゃまぜの感じが沖縄っぽいと思いませんか?
セメント瓦を観察しよう

戦後に爆発的に増えたセメント瓦でしたが、1960年代に県内でセメントが出荷されるようになると鉄筋コンクリート造の家が増えて衰退。最近まで名護に1箇所だけセメント瓦工場が残っていたようですが、現在は廃業しているようです。
もうセメント瓦葺きの家屋が新しくできる可能性はほぼなく、どんどんセメント瓦の家は無くなっているのが現状です。
セメント瓦の観察ができるのは(たぶん)今だけ。今なら割と色々なところでセメント瓦の家屋は見つけられるので観察してみましょう。
なにか面白いデザインの鬼瓦を見つけたら、ぜひ教えてください。

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投稿を表示沖縄の古い建築物にとても興味があります!✨
セメント瓦についてもつい最近本で読みましたが、
鬼瓦の意匠が本当にユニークですよね〜😂
沖縄の古い建築物を巡るというテーマの旅行を
いつか計画してみたいです〜🤭