【宮古島】老舗から新店まで!宮古そば名店6選

はいさ~い、さんぺいです。
「沖縄そば」は、ソーキそば・ゆし豆腐そば・野菜そばなど、具材を中心とした呼び名とは別に、地域ごとの「沖縄そば」を指す場合があります。
うどんで言うと、讃岐うどんや稲庭うどんなど、ご当地うどんみたいなものですね。
特に有名なのが「宮古そば」と「八重山そば」。今回は「宮古そば」をピックアップします。
宮古そばの特徴は、細く縮れがないストレートの平麺で、スープはあっさり。
そしてルックス最大の特徴が、具材が麺の下に隠すように置かれていることです。
その理由には
①具の表面が乾かないようにするため
②「具も載せられないくらいに貧しい」という風に見せかけて、近所の目や年貢の取り立てに対抗した
③麺を盛り上げて、より量を多く見せようとした
など、様々な説があります。
宮古島では新店が続々とオープンしており、旧来のスタイルとは違うニュータイプのお店も増えています。
今回は、新旧を織り交ぜながら、さんぺいが宮古島で出会ったお薦めの6店を紹介したいと思います。
1.にいまそば

1軒目は、宮古島の最北端、西平安名崎からも近い狩俣集落にある『にいまそば』。
宮古島の中心市街地から離れていて、静かな集落の中にありますが、開店前からお客さんが並ぶ人気店。売り切れ次第終了なので、早めの訪問がお薦めです。

メニューは厳選されていて、軟骨ソーキそばと三枚肉そばの2種類のみ。
麺が選べるのが特徴になっていて、店自家製の「ちぢれ麺」と、沖縄本島の「ちょーでーぐぁ」から取り寄せている「細麺」をチョイスできます。
スープを一口飲むと、思わず旨味の強さに圧倒されます。
魚介系の出汁が効いていて、すごく厚みのあるスープ。
重層的な出汁ですが、雑味のないスッキリとした後味で、出汁の美味しさがクリアに味わえるスープです。
自家製麺の生麺は、喜多方ラーメンのような多加水の平打ち麺で、幅が広く薄めです。
縮れが入っていて、これが独特の食感を生み出しています。
スープとの絡みもよく、啜り心地は抜群。
啜るのが楽しくなるような麺でした。
シンプルに麺とスープの美味しさを味わえる、繊細で直球な宮古そば。
自家製で麺を製造するなど、宮古そばもどんどん進化してるんですね。
宮古島を訪問した際には、並んででも食べていただきたい一杯です。
<さんぺいブログ>
店名:にいまそば
住所:宮古島市平良狩俣3
公式SNS:https://www.instagram.com/niimasoba/?hl=ja
2.伊良部そばかめ

2軒目は、伊良部島にある『伊良部そばかめ』。
伊良部島は宮古島近くの離島ですが、「伊良部大橋」を渡って行くことができます。
全長は6,500mで、通行料金を徴収しない橋としては日本最長。宮古島へ行ったら絶対に寄ってほしい絶景スポットです。

お客さんの大半が注文するのは、看板メニューの「かめそば」。三枚肉、ソーキ、ゆし豆腐を一杯で楽しむことができます。
特徴的なのが、スープに伊良部島産の鰹節を使用している点。
運ばれてきた瞬間に、フワッと香る鰹。
雑味がなくクリアで、出汁の旨みがしっかり感じられ、そして余韻が凄い。
味付けの方も塩梅が最高で、濃過ぎず、薄すぎず、出汁の美味しさを邪魔しない絶妙なラインで、完璧でした。
自家製の麺は、中細で角がなく、ほぼストレートタイプ。
滑らかな口当たりとコシの強さが特徴的で、初めて食べる方はびっくりするはず。

サイドメニューでは、なんとマグロの握りも食べられます。新鮮でねっとりとしたマグロ。
鰹漁が盛んな伊良部島ならではの珠玉の宮古そば。出汁も、具材も、島の恵みが詰まっています。
まさに、ここでしか味わうことのできない一杯です。
<さんぺいブログ>
店名:伊良部そばかめ
住所:宮古島市伊良部長浜251
公式SNS:なし
3.中休味商店

3軒目は、平良西里にある『中休味商店(なかやすみしょうてん)』。
2021年に行われた「宮古そば総選挙」で1位に選ばれた、新進気鋭のお店です。

特徴的なのが、宮古そばの店では珍しい鶏ベースのスープ。
従来の宮古そばは、鰹出汁を効かせた豚を使ったスープが多かったので、これだけ鶏を前面に出したそばは貴重です。
写真のとおり、昔ながらの麺の下に具が隠れているオールドスタイルを継承しているのが嬉しいですね。
鶏白湯スープは、濃厚で粘度もありますが、すごく滑らかで、しつこい感じはありません。クリーミーなスープが堪らない、ハマる系のスープ。
麺も特徴的で、自家製のオリジナルです。
中細でストレートに近いですが、ゆるくウェーブが入っています。
滑らかでツルッとした口当たりで、凄くのびやかな麺。

麺の下から現れるかまぼこと、三枚肉。
宮古らしい、大きめな平かまぼこと、これまたサイズ感のある三枚肉。
三枚肉は味付け控えめで、ほどよい柔らかさで美味でした。
伝統を継承しながら、ニュータイプな宮古そば。飲み応えあるスープに、特徴ある麺、ライスのサービスまで、トータルの満足感が高いお店です。
<さんぺいブログ>
店名:中休味商店
住所:宮古島市平良西里2050-1
公式SNS:なし
4.古謝そば屋

4軒目は、宮古そばを訪問するなら絶対に外せないお店『古謝そば屋』です。
創業は、1932年(昭和7年)。戦前から続く現役の沖縄そば屋は限られており、沖縄そばの歴史を知る上でも貴重な存在。
製麺所も営んでおり、まさに宮古そばを代表するお店です。
店の外観は、赤瓦の屋根が印象的な建物。木調をベースにした内装でゆったりと空間を取っており、落ち着いた雰囲気で食事を楽しむことができます。

宮古そばは、まず見た目の澄んだ美しいスープが印象的。豚赤肉に、かまぼこ、ネギが乗ったシンプルな宮古そば。鰹節の香りが漂うスープ。
あっさりとしていますが、ゆっくりと出汁の旨みが身体中に沁み込んでいき、幸福感に満たされます。
そして、宮古そば最大の特徴ともいえるストレート麺が、抜群の啜り心地やのど越しを生み出します。
『古謝そば屋』の麺は、絹のような口当たりで、伸びやかで風味がしっかりあって、麺そのものの美味しさが際立っていました。
麺の風味と、鰹出汁が堪らない、シンプルイズベストを体現するような宮古そば。宮古島を訪れた際には是非訪問してほしいお店です。
<さんぺいブログ>
店名:古謝そば屋
住所:宮古島市平良下里1517-1
公式HP:https://kojasoba.com/
5.じんく屋

5軒目は、宮古島でも有名な「久松製麺所」が直営している宮古そば屋『じんく屋』。1970年創業で、長年地域に愛されているお店です。
宮古そばはもちろん、本ソーキ、軟骨ソーキそば、てびちそば、野菜そばと定番メニューが揃っており、珍しいカレーそばも。
定食類が充実しているのも特徴で、チャーハン、カレーライス、カツ丼、ちゃんぷるーと必ず好みの一品が見つかります。

宮古そばは、三枚肉とかまぼこ、ネギが載ったシンプルなスタイル。
製麺所直営の宮古そば屋さんなので、もちろん麺が美味しい。
中細で、ほぼ四角形の断面、定番のストレートの麺です。ほどよくコシがあって、驚くほど伸びやか。麺の茹で加減も抜群で、麺へのこだわりが良く分かります。
スープは鰹出汁を効かせた、スッキリとした味わい。鰹の美味しさを前面に出したスープは、私のイメージする「宮古そば」のまさにド真ん中。これだよなぁと思わず唸る美味しさでした。
具材は、宮古そばと言えば「平かまぼこ」。脇役になりがちなかまぼこですが、本場宮古はかまぼこの美味しさも光っています。
麺が美味しいのはもちろん、飽きの来ないスープは宮古そば定番の味だと思います。
<さんぺいブログ>
店名:じんく屋
住所:宮古島市平良下里84
公式SNS:https://www.instagram.com/hisamatsuseimen_jinkuya/
6.大和食堂
最後は、宮古そばの謎についてのお話。
宮古そばは、具材を麺の下に入れて提供するなど独特のスタイルで知られていますが、「カレー粉」をそばに入れるという、沖縄本島には無い習慣があるんです。

6軒目は、「カレー粉」でも有名な50年以上続く『大和(だいわ)食堂』。

宮古そばは、具を麺の下に入れるオールドスタイル。
麺の下には…安心してください、きちんとかまぼこと赤肉が入っています。
スープは豚骨ベースで、塩中心の味付け。
しつこくないので重たすぎず、最後まで無理なく飲み干せるスープ。
麺は中細で、宮古そば定番のストレート麺。もちっと感もあって、噛みしめるのが嬉しい、満足感のある麺でした。

「カレー粉」は、七味、コーレーグースと共にしっかり卓上にありました。缶を開けて、適量を投入します。
最初は驚きましたが、想像以上によく合っています。スパイシーになることで、より食欲をそそる一杯になりました。
お店の方に尋ねてみたら、先代の母親の時代から「カレー粉」は食堂にあったそう。
当時は他のお店も普通に「カレー粉」を置いていて、特に『大和食堂』が発祥というわけではないと話されていました。
宮古そばと「カレー粉」の不思議な関係。
なぜ、いつごろ宮古島に広まったのか?
いつかその謎を解いてみたいと思っています。
<さんぺいブログ>
店名:大和食堂
住所:宮古島市平良西里819-3
公式SNS:なし
「宮古そばの名店6選」いかがだったでしょうか。
旅行先としても人気の宮古島。
与那覇前浜ビーチ、砂山ビーチなど、沖縄を代表する美しいビーチが多数。食事は何と言っても「宮古そば」がマストです。
クラシックなものからアレンジ系まで、幅が広がっている宮古そば。今回のコラムを参考に宮古島へ行った際は、是非お気に入りの一杯を見つけてください。
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【沖縄そば発信家】さんぺい
1976年沖縄県那覇市生まれ。2012年に沖縄そばの食べ歩きをはじめ、ブログなどで発信を行う。現在、福祉の仕事を行いながら、ブログやSNSなどで、全国へ沖縄そばを広める活動を行っています。夢は、沖縄そば屋さんの全制覇と、沖縄そばを世界へ届けることです。